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敗血症誘発急性肺障害において、血漿由来細胞外小胞は肺胞マクロファージのオートファジーとフェロトーシスを促進する

Molecular medicine (Cambridge, Mass.)2025-02-04PubMed
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8

概要

血漿EVのプロファイリングにより重症度・予後と関連するバイオマーカーパネルが同定され、LCN2、miR-122-5p、miR-223-3pは敗血症性ARDSの独立予測因子であった。機序的には、EV由来miR-223-3pがMEF2Cを介してHippo経路を活性化し、肺胞マクロファージの炎症・オートファジー・フェロトーシスを促進し、その阻害で肺傷害が軽減した。

主要発見

  • miR-122-5p、miR-125b-5p、miR-223-3p、OLFM4、LCN2から成るEVバイオマーカーパネルは敗血症の重症度・予後と関連した。
  • LCN2、miR-122-5p、miR-223-3pは敗血症性ARDSの独立予測因子であった。
  • EV内miR-223-3pはMEF2C/Hippo経路を介して肺胞マクロファージの炎症、オートファジー、フェロトーシスを促進した。
  • miR-223-3pの阻害により、肺の炎症、マクロファージ死、組織学的病変がin vivoで軽減した。

臨床的意義

EV内miR-223-3pやLCN2は敗血症性ARDS高リスク患者の早期同定とモニタリングに有用となり得る。miR-223-3p阻害の治療応用は橋渡し研究での検証が必要である。

なぜ重要か

循環EV内容物を敗血症性肺障害のリスク層別化と機序的傷害経路に結びつけ、実装可能なバイオマーカーと治療標的(miR-223-3p)を提示する。

限界

  • 臨床コホートの規模・詳細が十分に記載されておらず、外部検証コホートも提示されていない
  • LPSモデルは多菌種敗血症の複雑性を十分に再現しない可能性がある

今後の方向性

ARDS予測のためのEVバイオマーカー閾値を前向きに検証し、臨床的に関連する敗血症モデル(例:盲腸結紮穿刺)でmiR-223-3p標的治療の有効性を評価する。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - バイオマーカー同定とin vivo調節を伴う前臨床の機序的エビデンス
研究デザイン
OTHER