腎臓と肝臓における敗血症初期の代謝変化は臨床的臓器不全に先行する
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 7
概要
ヒト敗血症2コホートと多菌種敗血症マウスにおいて、血中アセチルカルニチン/L-カルニチン指標がミトコンドリアβ酸化障害と腎・肝機能障害に相関し、臨床指標や組織学的アポトーシスに先行した。臓器特異的な早期検出にメタボロミクス活用の可能性を示す。
主要発見
- 敗血症患者の血中代謝パターンはミトコンドリアβ酸化障害を示し、腎・肝機能障害と相関した。
- マウスでは臓器代謝変化が血中アセチルカルニチン/L-カルニチン比と相関し、肝と腎で様式が異なった。
- 代謝変化は臨床的臓器機能指標および組織学的アポトーシス所見に先行した。
臨床的意義
アセチルカルニチン/L-カルニチンなどミトコンドリア代謝物の動的モニタリングにより、敗血症の腎・肝障害を早期に把握し、代謝標的治療の指針となる可能性がある。
なぜ重要か
代謝物比が臓器不全に先行するというトランスレーショナルな証拠は、より生理学的妥当性の高い早期診断へとパラダイムを転換し、介入の前倒しを可能にする。
限界
- 代謝物との相関からは因果関係を確定できない。
- 外部検証コホートや臨床実装の閾値は抄録からは明示されていない。
今後の方向性
前向きに代謝物閾値を検証し、標準バイオマーカーとの予測性能を比較、代謝標的介入が臓器不全の経過を変え得るかを評価する。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断/病態生理
- エビデンスレベル
- III - 観察的ヒトコホートに動物モデル実験を補完したエビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER