壁細胞由来細胞外小胞はAngpt1/PI3K/AKT経路と壁細胞リクルートを介して敗血症の血管バリア機能を改善する:in vivoおよびin vitro研究
総合: 78.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8
概要
Angpt1を含む壁細胞由来小胞は、CLP誘発敗血症で内皮バリアの一体性・増殖・血管新生を高め、全身性炎症性サイトカインを低下させ、壁細胞のリクルートを促進しました。Angpt1低下によりPI3K/AKTシグナルが減弱し、効果が減弱したことから、小胞療法の機序軸が示されました。
主要発見
- PCEVは、CLP誘発腸管バリア障害において血管透過性・増殖・血管新生を改善した(in vivo/in vitro)。
- PCEVは血清炎症性サイトカインを低下させ、壁細胞のリクルートを促進し、腸管バリアを保護した。
- PCEVに含まれるAngpt1はPI3K/AKTを活性化し、Angpt1低下でこの活性化が減弱し保護効果が失われた。
臨床的意義
Angpt1シグナルを賦活する小胞性バイオロジクスは、敗血症での内皮・腸管バリア機能回復により毛細血管漏出や臓器障害の軽減を目指す補助療法となり得ます。
なぜ重要か
壁細胞小胞が敗血症性バリア障害を修復する機序としてAngpt1/PI3K/AKT経路を特定し、血管機能障害に対する小胞療法の発展に資する成果です。
限界
- 前臨床モデルであり、用量反応や薬物動態・毒性のデータが不足している
- 小胞の不均一性や製造スケールアップの課題が未検討
今後の方向性
小胞の投与量・体内動態・安全性を規定し、Angpt1強化小胞を大型動物敗血症モデルで評価、標準治療との併用も検討する。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- V - 機序操作を伴う前臨床CLP in vivoモデルとin vitro内皮アッセイ
- 研究デザイン
- OTHER