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敗血症治療を強化するための好中球標的化・ヒッチハイク・制御を行うDNAベースのナノロボット

Biomaterials2025-02-14PubMed
総合: 79.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8

概要

Ac-PGP修飾四面体DNAナノロボットは好中球CXCR2に結合して炎症部位へヒッチハイクし、好中球の成熟や機能を再プログラムして酸化ストレスと炎症性動員を抑え、in vivoで敗血症の組織障害を著明に低減した。好中球の精密標的デリバリーと制御という治療概念を示した。

主要発見

  • Ac-PGP修飾四面体フレーム核酸(APT)は好中球CXCR2に特異的に結合し、炎症部位へヒッチハイクして有効半減期を延長する。
  • 細胞内に取り込まれたAPTは好中球の細胞周期・成熟を調節し、酸化ストレス、炎症、遊走・動員をin vitroおよびin vivoで制御する。
  • 敗血症モデルにおいて、APTによる好中球の標的制御は組織障害を大幅に軽減した。

臨床的意義

前臨床段階だが、生理的トラフィッキングを活用する好中球指向治療への道筋を示す。臨床応用には、免疫原性、体内動態、毒性、製造適合性のGLP/GMP下での評価が必要である。

なぜ重要か

白血球のトラフィッキングを利用してドラッグデリバリーとオフターゲットの課題を克服する、細胞特異的・プログラム可能なナノプラットフォームを提示した。他の好中球駆動疾患にも汎用化可能である。

限界

  • ヒトデータのない前臨床研究であり、他のCXCR2陽性細胞へのオフターゲットや免疫原性は不明。
  • 長期安全性、クリアランス、大規模製造の実現性は未検討である。

今後の方向性

大型動物での免疫原性/毒性と薬物動態の評価、複合菌種敗血症や併存症モデルでの有効性検証、薬物搭載や複合免疫調節の検討を行う。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
治療/病態生理
エビデンスレベル
V - in vitroおよびin vivoモデルによる前臨床ナノメディシン研究で、臨床無作為化はない。
研究デザイン
OTHER