制限的輸液蘇生が敗血症性ショックにおける重症急性腎障害に及ぼす影響:システマティックレビューとメタアナリシス
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
9件のRCT(n=3718)で、制限的輸液は敗血症性低血圧・ショックにおける重症AKIを減少(RR 0.87, 95%CI 0.79–0.96)。人工呼吸期間短縮の可能性もあるが異質性は大きく、総合的確実性はGRADEで中等度以上でした。
主要発見
- 9件のRCT(3718例)のメタ解析で、制限的輸液は重症AKIを減少(RR 0.87, 95%CI 0.79–0.96)。
- 制限的輸液で人工呼吸期間短縮が示唆されるが、試験間の異質性は大きい。
- GRADEにより中等度以上の確実性。TSA、感度・サブグループ解析も実施。
臨床的意義
敗血症性ショックでは、厳密な血行動態モニタリング下で制限的輸液を選択肢とし、重症AKIの減少を目指すべきです。昇圧薬や動的前負荷評価を組み合わせ、輸液量の閾値と再評価間隔をプロトコールに明記することが望まれます。
なぜ重要か
敗血症性ショックにおける腎保護的な輸液戦略をRCTエビデンスで統合し、従来の自由輸液を前提としたプロトコール見直しに資するため、臨床的影響は大きい。
限界
- 人工呼吸関連アウトカムの異質性が大きく、輸液プロトコールやAKI定義の差異も影響の可能性
- 死亡や長期腎機能などの主要アウトカムは本要約では主眼でない
今後の方向性
輸液制限プロトコール(投与量閾値やモニタリング)を標準化し、多施設実践的RCTで死亡、透析依存、患者中心転帰を評価すべきです。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験のメタアナリシス(GRADE評価あり)
- 研究デザイン
- OTHER