敗血症および敗血症性ショック患者におけるアセチルサリチル酸治療:第2相プラセボ対照無作為化臨床試験
総合: 76.5革新性: 6インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
多施設二重盲検プラセボ対照RCT(n=166)で、ASA 200 mg/日7日間はSOFA変化を改善せず、大出血と重篤有害事象が増加し試験は早期中止となった。副次評価項目も有益性は示されなかった。
主要発見
- ASAとプラセボ間でSOFA変化に有意差なし(調整平均差0.60、95%CI −0.55〜1.75、p=0.30)。
- ASA群で大出血が増加(8/94[8.5%]対 1/84[1.2%]、p=0.02)、重篤有害事象も多かった(9[11%]対 1[1.2%]、p=0.009)。
- 出血シグナルにより中間安全解析後に早期中止。副次評価項目にも有益性なし。
臨床的意義
敗血症における臓器障害軽減目的でのASA新規開始は避けるべきであり、既存内服の継続も急性期の出血リスクを踏まえ慎重に再評価すべき。抗血小板戦略は試験枠組みでの評価が必要。
なぜ重要か
本RCTは、早期敗血症でのASA投与による臓器障害軽減を否定し、出血リスクを示した決定的なエビデンスであり、臨床実践に直結する。
限界
- 早期中止により有効性評価の検出力と推定精度が低下。
- ブラジルの5施設で実施され、他地域や慢性抗血小板薬内服者への一般化には追加検証が必要。
今後の方向性
有益性が見込まれるサブグループの同定、安全性に優れる代替的血小板標的戦略の比較、敗血症経過に対する介入タイミングの検討が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 二重盲検プラセボ対照のランダム化臨床試験
- 研究デザイン
- OTHER