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敗血症ICU生存者における機能低下・回復の表現型:1年間追跡の多施設コホート解析からの知見

Critical care medicine2025-02-24PubMed
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7

概要

21施設220例の敗血症ICU生存者で、退院時の4つのPICS表現型を同定し、12か月の経過が大きく異なることを示した。軽度PICSは3か月で改善する一方、中等度・重度PICSは障害が持続し、QOL低下と低就労、最重症群では生存率の低下が認められた。

主要発見

  • 退院時のPICS表現型は4群:なし(n=62)、軽度(身体・認知、n=55)、中等度(全領域、n=53)、重度(全領域、n=50)
  • 軽度PICSは3か月で改善する一方、中等度・重度PICSの障害は12か月持続
  • 全群でQOL低下と低就労(0–50%)が持続し、群4では生存率が継続的に低下

臨床的意義

退院時にBarthel指標、認知・精神評価、EQ-5DでPICSを表現型化し、持続的障害が見込まれる中等度・重度群に重点的リハビリとフォローを行うべき。

なぜ重要か

表現型に基づく軌跡は、標的リハビリやフォロー体制、資源配分、試験の層別化に資する。

限界

  • 観察研究で因果関係の推定は限定的
  • 一般化可能性は類似のICU環境・医療体制に限られる可能性

今後の方向性

表現型に基づくリハビリ・メンタルヘルス介入の介入試験と、敗血症後試験での表現型層別化の導入が望まれる。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
II - 標準化評価と縦断追跡を伴う前向き多施設コホート
研究デザイン
OTHER