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短時間作用型β遮断薬が敗血症性ショック患者の転帰に与える影響:システマティックレビューとメタアナリシス

Critical care medicine2025-02-26PubMed
総合: 73.5革新性: 6インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 6

概要

12件のRCT統合では、短時間作用型β遮断薬が28日死亡率を低下させ(低確実性)、新規頻脈性不整脈を減少させる(中等度確実性)可能性が示されましたが、昇圧薬使用期間は延長する可能性があります。90日死亡や資源利用への影響は不確実です。

主要発見

  • 12件のRCT(n=1170)のメタ解析で、短時間作用型β遮断薬は28日死亡率を低下(RR 0.76、95%CI 0.62–0.93、低確実性)。
  • 新規発症の頻脈性不整脈は減少する可能性(RR 0.37、95%CI 0.18–0.78、中等度確実性)。
  • 昇圧薬使用期間は延長する可能性(+1.04日、95%CI 0.37–1.72、低確実性)。90日死亡や在ICU/在院日数への影響は不確実。

臨床的意義

安定化後の敗血症性ショックで持続性頻脈に対し、低血圧・徐脈に注意しつつ短時間作用型β遮断薬の使用を検討し得ますが、昇圧薬使用日数延長の可能性を踏まえ、一般的適用には高品質な大規模RCTの結果を待つべきです。

なぜ重要か

広く利用可能な治療の無作為化エビデンスを統合し、今後の大規模試験で確認されれば敗血症性ショックの循環管理を変え得る可能性があります。

限界

  • 試験規模の小ささや不均一性、推定値の不精確さにより、全体として確実性が低い。
  • 安全性や長期死亡への影響は不確実で、出版バイアスの可能性もある。

今後の方向性

用量・開始時期を標準化した多施設大規模RCT(CONSORT準拠)により、死亡率、不整脈制御、昇圧薬節減、安全性を表現型別に検証すべきです。

研究情報

研究タイプ
メタアナリシス
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 無作為化比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシス。
研究デザイン
OTHER