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集団特異的遺伝リスクスコアにより敗血症発症28日以内の死亡予測が改善:台湾人後ろ向きコホート研究

Journal of intensive care2025-02-27PubMed
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8

概要

台湾人1,403例のコホートで、集団特異的な多遺伝子リスクスコアは28日死亡予測を臨床モデルより有意に改善(AUROC 0.78対0.61)し、欧州SNPモデルも上回った。全ゲノム有意SNPが5個同定され、高PRS群は生存不良であった。

主要発見

  • 敗血症発症後28日死亡に関連して5つのSNPが全ゲノム有意(p<5e-8)、86のSNPが示唆的有意(p<1e-5)となった。
  • 台湾人集団特異的PRSを臨床変数に加えると識別能が向上(AUROC 0.78[0.75–0.80]、c-index 0.79[0.62–0.96])し、臨床のみ(AUROC 0.61[0.58–0.64]、c-index 0.63[0.45–0.81])を凌駕した。
  • 欧州研究での有意SNPに基づくモデルは本コホートで劣後(AUROC 0.60[0.58–0.63])し、民族的特異性を示した。
  • Kaplan–Meier解析で高PRS群は有意に生存が不良であった。

臨床的意義

外部検証と運用設計が整えば、PRSはトリアージや資源配分を補完し、監視強度や臓器補助の判断、精密医療型臨床試験の層別化に寄与し得る。遺伝検査体制、倫理的配慮、費用対効果評価が不可欠である。

なぜ重要か

集団遺伝学に適合した精密予後予測ツールを提示し、敗血症の短期死亡予測を大幅に向上させた。集団特異的ゲノムモデルの臨床的リスク層別化への重要性を示す。

限界

  • 単一集団の後ろ向きコホートであり、汎用性には多民族での外部検証が必要
  • 前向き運用下での臨床的有用性は未検証
  • 集団層別化や未知の交絡の可能性

今後の方向性

前向き・多民族での外部検証、動的臨床データとの統合、意思決定影響・公平性・費用対効果の評価、敗血症におけるゲノムリスク活用の指針作成が求められる。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
III - 後ろ向きコホートに基づくゲノム解析とモデル開発
研究デザイン
OTHER