敗血症における20%アルブミンの微小循環特性:ランダム化比較試験
総合: 76.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 6
概要
体液反応性のある敗血症性ショック患者100例の単施設RCTにおいて、20%アルブミンは晶質液に比べ、ベースライン不良にもかかわらず15分と60分で微小循環(密度・活動性)を改善した。全身の体液バランス、昇圧薬日数、ICU滞在、死亡率の差はなかった。
主要発見
- 20%アルブミンは晶質液に比べ、15分・60分で毛細血管密度と活動性を有意に改善した(p<0.005)。
- 両群とも体液反応性があり(入院時脈圧変動17%)、アルブミン群はベースラインの微小循環が不良であった。
- 体液バランス、昇圧薬日数、ICU滞在、死亡率には有意差を認めなかった。
臨床的意義
体液反応性のある敗血症性ショックでは、20%アルブミン投与が微小循環の急性改善に有用な可能性があるが、患者中心アウトカムを示す多施設試験による裏付けが必要である。
なぜ重要か
高張アルブミンが微小循環を迅速に改善することをランダム化エビデンスで示し、微小循環指向の蘇生戦略を後押しし、アウトカムを主要評価項目とする試験設計に資する。
限界
- 単施設で盲検化が難しく、患者中心アウトカムに対する検出力が不足。
- 微小循環指標のベースライン不均衡と短期追跡に留まる。
今後の方向性
微小循環指向プロトコル下でのアルブミン対晶質液の多施設アウトカム主導RCT、糖鎖被膜障害やアルブミン濃度による層別解析。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 生理学的主要評価項目を用いたランダム化比較試験
- 研究デザイン
- OTHER