酸化的リン酸化は出生後の骨髄系分化を促進する新生児単球免疫代謝の中核的特性である
総合: 81.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
年齢を横断した健常人単球の多層オミクスと機能解析により、新生児単球は酸化的リン酸化に依存して骨髄系分化を支え、発達とともに解糖系優位へ移行して炎症反応性が高まることが示された。微生物刺激は新生児単球を成人様代謝へ転換させる一方、成人のケトン食では新生児様免疫代謝は再現できない。解糖系の早期活性化は分化障害と過炎症を介して新生児の敗血症リスクを高めうる。
主要発見
- 新生児単球は酸化的リン酸化が亢進し骨髄系分化を支持する。
- 幼少期に解糖系優位へ発達的に移行し炎症反応性が増大する。
- 微生物刺激は新生児単球を成人様代謝へ誘導するが、成人のケトン食では新生児様免疫代謝は再現できない。
- 解糖系の早期活性化は分化障害と過炎症を介して新生児の敗血症リスクを高めうる。
臨床的意義
即時に診療を変えるものではないが、新生児で解糖系を早期に高める介入には慎重であるべきことを示し、代謝状態のバイオマーカー開発による早期敗血症リスク層別化を促す。
なぜ重要か
本研究はヒト単球の年齢依存的免疫代謝プログラミングを解明し、新生児敗血症感受性への直接的示唆を与える。代謝標的介入や早期介入のタイミング設計に道を開く。
限界
- 主としてex vivoの機序的証拠で臨床転帰との直接的連関がない
- 代謝調節が敗血症発症に影響するかを検証する介入試験がない
今後の方向性
免疫代謝状態と感染転帰を結びつける新生児前向きコホート研究、および敗血症予防を目的とした代謝調節介入の倫理的試験。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 臨床転帰を伴わない前臨床・トランスレーショナルな機序研究
- 研究デザイン
- OTHER