ケニアおよびウガンダの小児外来におけるSmart Triageと質改善の実装:中断時系列解析
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
ケニアではSmart Triage導入により静脈内抗菌薬投与までの時間が98分(57%)短縮し、対照施設では逆に延長した。ウガンダでは効果は持続しなかったものの、両国で抗菌薬使用と入院率の大幅な減少がみられた。死亡率低下も観察されたが二次アウトカムであり慎重な解釈が必要である。
主要発見
- ケニアの介入施設では実装期間中に静脈内抗菌薬投与までの時間が98分(57%、95%CI 81–114)短縮し、対照施設では49分延長した。
- 介入施設で抗菌薬使用量はケニア47%、ウガンダ33%減少した(ベースライン比)。
- 入院率はケニア47%、ウガンダ33%減少し、死亡率はそれぞれ25%、75%低下した(いずれも二次アウトカム)。
臨床的意義
質改善と連動したデジタルトリアージは静脈内抗菌薬投与の遅延短縮と不要な抗菌薬曝露の削減に寄与しうる。効果維持には人員配置やCOVID-19の影響など文脈依存の障壁への対処が必要である。
なぜ重要か
LMICの小児診療現場でデジタルトリアージが抗菌薬投与の迅速化や抗菌薬使用・入院減少に結び付くことを実装レベルで示した。
限界
- ウガンダで効果持続性が乏しく、COVID-19や資源制約による交絡の可能性
- 死亡・入院は二次アウトカムであり主要評価項目としての検出力は限定的
今後の方向性
実装忠実度・持続可能性・公平性を最適化するハイブリッド有効性-実装試験や、抗菌薬適正使用・診断との統合によるトリアージ閾値の最適化が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- II - 複数施設での前向き・対照付き中断時系列解析
- 研究デザイン
- OTHER