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敗血症における真菌病原体の疫学と危険因子:前向き全国多施設コホート研究

BMC infectious diseases2025-03-11PubMed
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8

概要

全国コホート11,981例のうち3.4%で真菌が同定され、Candida属が主であったが抗真菌薬投与は6.6%にとどまった。慢性腎臓病、免疫抑制、結合組織病、侵襲的人工呼吸が独立して真菌同定と関連し、腫瘍の有無は転帰に大きな影響を与えなかった。

主要発見

  • 敗血症の3.4%(407/11,981)で真菌が同定され、C. albicans(47.9%)、C. glabrata(20.6%)、C. tropicalis(13.5%)が主要であった。
  • 真菌確定例の抗真菌薬投与は6.6%に過ぎず、大きな治療ギャップが示された。
  • 真菌同定と独立に関連した因子は、慢性腎臓病(OR 1.662)、結合組織病(OR 1.885)、免疫抑制(OR 2.284)、侵襲的人工呼吸(OR 2.864)であった。
  • 血液・固形腫瘍の併存は真菌同定例の転帰に有意な影響を与えなかった。

臨床的意義

慢性腎臓病、免疫抑制、結合組織病、侵襲的人工呼吸を要する敗血症患者では、真菌迅速診断と適時の抗真菌治療を検討すべきである。抗真菌薬の著しい未使用に対し、適正使用プログラムの導入が求められる。

なぜ重要か

全国規模で真菌関与と治療ギャップを定量化し、早期診断と抗真菌薬適正使用を促す実践的な危険因子を提示する。

限界

  • 真菌が“同定された”症例に限られるため、未診断例により有病率が過小評価される可能性がある。
  • 韓国の医療体制に特有の要因が一般化可能性を制限し、抗真菌薬未使用の理由は詳細に解析されていない。

今後の方向性

高リスク敗血症に対する真菌迅速診断とステュワードシップアルゴリズムの実装・評価、標準化された早期抗真菌導入の転帰改善効果の検証が必要である。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
診断
エビデンスレベル
II - 多変量解析を伴う適切に設計された前向きコホート研究。
研究デザイン
OTHER