敗血症における真菌病原体の疫学と危険因子:前向き全国多施設コホート研究
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8
概要
全国コホート11,981例のうち3.4%で真菌が同定され、Candida属が主であったが抗真菌薬投与は6.6%にとどまった。慢性腎臓病、免疫抑制、結合組織病、侵襲的人工呼吸が独立して真菌同定と関連し、腫瘍の有無は転帰に大きな影響を与えなかった。
主要発見
- 敗血症の3.4%(407/11,981)で真菌が同定され、C. albicans(47.9%)、C. glabrata(20.6%)、C. tropicalis(13.5%)が主要であった。
- 真菌確定例の抗真菌薬投与は6.6%に過ぎず、大きな治療ギャップが示された。
- 真菌同定と独立に関連した因子は、慢性腎臓病(OR 1.662)、結合組織病(OR 1.885)、免疫抑制(OR 2.284)、侵襲的人工呼吸(OR 2.864)であった。
- 血液・固形腫瘍の併存は真菌同定例の転帰に有意な影響を与えなかった。
臨床的意義
慢性腎臓病、免疫抑制、結合組織病、侵襲的人工呼吸を要する敗血症患者では、真菌迅速診断と適時の抗真菌治療を検討すべきである。抗真菌薬の著しい未使用に対し、適正使用プログラムの導入が求められる。
なぜ重要か
全国規模で真菌関与と治療ギャップを定量化し、早期診断と抗真菌薬適正使用を促す実践的な危険因子を提示する。
限界
- 真菌が“同定された”症例に限られるため、未診断例により有病率が過小評価される可能性がある。
- 韓国の医療体制に特有の要因が一般化可能性を制限し、抗真菌薬未使用の理由は詳細に解析されていない。
今後の方向性
高リスク敗血症に対する真菌迅速診断とステュワードシップアルゴリズムの実装・評価、標準化された早期抗真菌導入の転帰改善効果の検証が必要である。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- II - 多変量解析を伴う適切に設計された前向きコホート研究。
- 研究デザイン
- OTHER