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Activin AによるSmad3活性化は乾癬および敗血症マウスモデルにおける自然免疫炎症を軽減する

The Journal of clinical investigation2025-03-12PubMed
総合: 88.5革新性: 9インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8

概要

本研究は、マクロファージにおけるTGF-β非依存的なActivin A–Smad3活性化が自然免疫炎症の生理的ブレーキであることを示した。ミトコンドリアATP産生とCD73経路によるアデノシン生成を促進して炎症を抑制し、マクロファージ特異的にActivin Aシグナルを失うとマウス敗血症の生存率が悪化した。

主要発見

  • 細菌・ウイルスリガンドがSTAT5依存的にActivin Aを誘導し、TGF-β非依存的にマクロファージのSmad3(pSmad3C)を活性化した。
  • Activin A–Smad3シグナルはミトコンドリアATP産生とCD73によるアデノシン生成を高め、抗炎症応答を強化した。
  • マクロファージ特異的Acvr1b欠損マウスでは炎症失制御により敗血症死亡が増加した。

臨床的意義

Activin A–Smad3シグナルを(受容体アゴニストやSmad3活性化などで)治療的に高めることで、宿主防御を保ちながら敗血症の過剰炎症を抑制できる可能性がある。免疫抑制を避けるため患者選択と介入タイミングが重要となる。

なぜ重要か

TGF-β非依存的なActivin A–Smad3抗炎症経路の同定は、敗血症の破綻した炎症を精密に制御する新たな機序標的を提示する。敗血症モデルでの生存改善というin vivoエビデンスが臨床応用可能性を高める。

限界

  • 知見はマウスモデルおよびex vivoヒトマクロファージに基づき、臨床的検証が未実施。
  • Activin/TGF-βスーパーファミリー操作に伴う線維化等の安全性リスク評価が必要。

今後の方向性

選択的Activin受容体アゴニストやSmad3活性化薬を臨床関連性の高い敗血症モデルで検証し、患者層別化や至適タイミングのバイオマーカーを確立、さらに安全性と投与窓を評価する。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 主として動物モデル・細胞系からの前臨床機序エビデンス
研究デザイン
OTHER