ヘキソキナーゼ2は敗血症誘導ミクログリア細胞において長鎖アシルCoA合成酵素4のISG化を促進する
総合: 74.5革新性: 9インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 6
概要
本研究は、敗血症関連脳症においてHK2がミクログリアのNLRP3活性化と脂質滴蓄積を促進する代謝・免疫調節因子であることを示した。機序的には、HK2がISG15依存的にACSL4のISG化を高め、HK2またはISG15のノックダウンでACSL4や炎症シグナルが低下した。HK2は有望な治療標的となる。
主要発見
- HK2はLPS刺激BV2ミクログリアおよびCLP敗血症マウス海馬で上昇し、炎症シグナルと相関した。
- HK2低下はNLRP3活性化を抑制し、ミクログリアの脂質滴蓄積を減少させた。
- HK2ノックダウンはISG15依存性のACSL4のISG化を低下させ、siISG15はLPS刺激下でACSL4発現を低下させた。
臨床的意義
前臨床段階ながら、HK2の阻害やISG化調節により敗血症関連脳症の神経炎症を抑制できる可能性がある。臨床応用には検証が必要である。
なぜ重要か
代謝、ISG化、神経炎症を結びつける新規のHK2–ISG15–ACSL4経路を提示し、敗血症関連脳症の機序解明を前進させた。
限界
- BV2細胞株と雄マウスを使用し、ヒト一次細胞/組織での検証が不足
- ACSL4のISG化変化と表現型を直接結びつける救済実験が限定的
今後の方向性
HK2–ISG15–ACSL4経路をヒト一次ミクログリアと患者組織で検証し、薬理学的HK2阻害や細胞種特異的調節を敗血症モデルで評価する。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 細胞株とマウスモデルを用いた前臨床の機序研究。
- 研究デザイン
- OTHER