血液培養由来の細菌細胞を精製した迅速全ゲノムシーケンシングによる血流感染の次世代診断
総合: 78.0革新性: 9インパクト: 9厳密性: 6引用可能性: 9
概要
陽性血液培養からのリアルタイムLC-WGSは、単独感染で98%、多菌感染で88%の精度で約2.6時間で菌種同定し、約4.2時間で臨床的に重要な耐性遺伝子を94%の精度で特定しました。病原因子型別、血清型判定、アウトブレイクの系統解析にも対応可能でした。
主要発見
- 単独感染で98%(65/66)、多菌感染で88%(14/16)の精度で約2.6時間で種同定を達成(SoC対照)。
- 臨床的に重要な耐性プロファイルにおいて、約4.2時間で94%(58/62)の精度で耐性遺伝子(アリル変異)を特定。
- 血液培養材料から直接、in silico血清型判定、ビルレンス因子型別、アウトブレイク調査のための系統ゲノミクス解析が可能。
臨床的意義
LC-WGSを検査室に統合することで、敗血症における原因菌同定と耐性予測を前倒しし、早期の抗菌薬適正化(エスカレーション/デエスカレーション)と感染制御対応の迅速化が期待されます。
なぜ重要か
血流感染診断の結果返却時間を実質的に短縮し、標的治療と抗菌薬適正使用を迅速に導く菌種同定および耐性情報を提供できる点で臨床的影響が大きい研究です。
限界
- 概念実証段階で症例数は限定的(前向きに収集した陽性血液培養)。臨床アウトカムへの影響は未評価。
- 多様な病原体および培養前の直接検体での性能検証が今後必要。
今後の方向性
LC-WGSに基づく治療が適切抗菌薬到達時間、臨床転帰、費用対効果に与える影響を検証する多施設実装研究や、採血直後検体での評価が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- II - 標準診療と比較した前向きの診断精度・ワークフロー評価
- 研究デザイン
- OTHER