新生児敗血症の診断における分子検査:診断精度のシステマティックレビュー
総合: 75.0革新性: 6インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 7
概要
68研究(14,309例)の統合では、分子検査は培養基準に対し感度0.91、特異度0.88を示しましたが、異質性が大きくエビデンスの確実性は低~非常に低でした。付加的検査としての臨床的有用性・費用対効果を評価するランダム化試験が推奨されます。
主要発見
- 新生児敗血症の分子検査は培養基準に対し、感度0.91(95%CI 0.85–0.95)、特異度0.88(95%CI 0.83–0.92)。
- 検査種類、在胎週数、発症型での下位解析でも大きな異質性が残存し、全体の確実性は低~非常に低。
- 高品質研究や単一サンプル解析に限定した感度分析でも、同様の性能推定が得られた。
臨床的意義
分子検査は培養を補完して意思決定を迅速化し、疑い例での不要な抗菌薬使用を減らす可能性がありますが、導入はAS(抗菌薬適正使用)と併走し、実践的RCTでの評価が必要です。
なぜ重要か
新生児敗血症の分子診断に関する最も包括的かつ方法論的に厳密な統合であり、実装と研究の優先順位付けに資する点で重要です。
限界
- 異質性が高く確実性は低~非常に低。参照基準である培養の不完全性による推定の偏りの可能性。
- 検査導入の臨床的有用性・転帰・費用対効果を評価するランダム化試験が不足。
今後の方向性
新生児敗血症疑いに対し、分子検査の付加 vs 標準診療を比較する実践的RCTを行い、抗菌薬曝露、適切治療到達時間、臨床転帰、費用対効果を評価することが求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- I - 診断精度研究のシステマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究デザイン
- OTHER