カッパカラギーナンとリポ多糖による敗血症関連DICマウスモデルの確立と特性
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8
概要
KCG(100 mg/kg)とLPS(50 μg/kg)の併用で尾部血栓、aPTT延長、低凝固性、炎症や線溶抑制の時間依存的推移を誘導し、12時間で尾・肺・肝の血栓と臓器障害が明瞭となった。低温環境で血栓が増悪し、系統差(KM/BALB/c>ICR)も示された。敗血症関連DICの臨床病理学的所見を再現する標準化モデルである。
主要発見
- 至適投与量であるKCG 100 mg/kg+LPS 50 μg/kgにより、尾部血栓、aPTT延長、低凝固性が誘発された。
- 16±1℃の低温環境で血栓・低凝固性が増悪し、性差は類似した反応を示した。
- 線溶抑制は1時間以内に出現し、1.5–24時間で炎症・凝固異常が進行、12時間で尾・肺・肝に血栓と臓器障害を認めた。系統差(KM/BALB/c>ICR)も確認された。
臨床的意義
前臨床ながら、本モデルにより敗血症関連DICに適合した抗凝固・抗線溶・抗炎症介入の評価が加速される可能性がある。
なぜ重要か
敗血症の病態に整合する再現性の高いDICモデルを提供し、機序解明と前臨床治療評価を可能にする点で重要である。
限界
- マウスモデルはヒトDICの多様性や併存症を完全には反映しない可能性がある
- 本報告内で治療介入の検証は行われていない
今後の方向性
本モデルを用いて抗凝固薬・線溶療法・免疫調節薬を評価し、オミクス統合により凝固・炎症ネットワークをマッピングする。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 標準化動物モデルの開発と特性評価研究
- 研究デザイン
- OTHER