メインコンテンツへスキップ

4-オクチルイタコン酸によるSTING媒介GPX4オートファジー分解の薬理学的阻害は敗血症誘発性急性腎障害を改善する

Apoptosis : an international journal on programmed cell death2025-03-23PubMed
総合: 80.0革新性: 9インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7

概要

CLP誘発敗血症AKIにおいて、4‑オクチルイタコン酸はフェロトーシス・炎症・酸化ストレスを低減し腎機能を改善した。機序的には、4‑OIはNrf2非依存的にSTING活性化を抑え、さらにNrf2活性化を介してSTING転写を抑制し、STING媒介のGPX4オートファジー分解を阻止してROS蓄積を抑制した。

主要発見

  • CLPにより腎の炎症・酸化ストレス・フェロトーシスが上昇し、4‑OIおよびフェロスタチン‑1はいずれもフェロトーシスを抑制して腎機能を改善した。
  • LPS刺激HK‑2細胞で4‑OIはフェロトーシスと炎症性サイトカインを低減した。
  • 4‑OIはSTING経路活性化をNrf2非依存的に抑制し、さらにNrf2を介してSTING転写を低下させ、STING媒介のGPX4オートファジー分解を防いでROSを抑制した。

臨床的意義

STINGおよびフェロトーシスを標的化することで敗血症関連AKIの予防・軽減が期待される。4‑オクチルイタコン酸は敗血症における腎保護補助療法としての臨床応用検討に値する。

なぜ重要か

STING–GPX4オートファジー軸が敗血症AKIのフェロトーシスを駆動することを示し、4‑OIの二重作用による抑制を提示して治療標的化の可能性を拓いた。

限界

  • 前臨床(動物・細胞)研究に留まり、ヒトでの検証や生存転帰の報告がない。
  • 敗血症での4‑OIのオフターゲット作用や用量・薬物動態は未検討。

今後の方向性

ヒト敗血症AKIでのSTING–GPX4軸の検証、4‑OIの薬理・安全性評価、大動物モデルでの有効性確認を経て初期臨床試験へ橋渡しする。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 動物・細胞モデルを用いた前臨床機序研究
研究デザイン
OTHER