発熱した正期産乳児の腸内微生物叢における腸管外細菌感染のメタゲノムシグネチャー
総合: 88.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9
概要
発熱正期産乳児では、腸管外感染の63%で侵襲部位病原体と同一の腸内株(>99.999% ANI)が検出され、腸管がリザーバーであることが支持された。E. coli感染例では腸内E. coliの相対量が高く、同一遺伝子型の定着例でB2系統群と毒力因子座の豊富化がみられた。
主要発見
- 腸管外感染の63%で、侵襲部位病原体と同一遺伝子型(>99.999% ANI)の腸内株が検出された。
- E. coliによる感染は対照群に比べ腸内E. coli相対量の増加と関連した。
- 同一遺伝子型のE. coli定着は、B2系統群の増加と接着・外毒素・代謝関連の毒力因子座の豊富化と関連した。
臨床的意義
高リスクのE. coli B2保有乳児などの定着者に対する標的サーベイランス・デコロナイゼーションの検討や、腸内微生物叢シグネチャーを用いたリスク層別化の高度化が示唆される。
なぜ重要か
菌株レベルで腸内から侵襲性感染への連続性を機械論的に示し、発症前サーベイランスと予防の新戦略に道を拓く。
限界
- サンプルサイズが中等度で観察研究のため因果推論に制限がある。
- 単一国内ネットワークであり、便採取と感染発症のタイミングが検出性に影響し得る。
今後の方向性
定着乳児を対象としたサーベイランス、デコロナイゼーション、微生物叢介入の前向き介入試験と、多様な集団や早産児での検証が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- III - メタゲノム解析と分離株ゲノミクスを併用した観察的な症例対照研究。
- 研究デザイン
- OTHER