血流感染後の心筋梗塞および脳卒中リスク:集団ベース自己対照症例系列研究
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8
概要
集団規模EHRを用いた自己対照症例系列で、BSIは心筋梗塞・脳卒中リスクを一過性に著増させ、初週にピーク、28日で基線化した。最大CRP>300 mg/Lでリスクは顕著に高く、炎症依存的効果が示された。
主要発見
- BSI後1–7日に心筋梗塞リスクが急増(調整IRR 9.67, 95% CI 6.54–14.3)し、28日で基線へ戻った。
- 脳卒中リスクもBSI後早期に同様の上昇を示した。
- 最大CRP>300 mg/Lの患者でリスク上昇が最大(MI IRR 21.54、脳卒中IRR 6.94)。
臨床的意義
特にCRP高値の患者では、BSI後1~2週間に心血管イベント監視(症状時の心電図/トロポニン、血圧管理など)を強化すべきである。この期間の標的抗炎症・抗血栓戦略の検討が求められる。
なぜ重要か
BSI後の心血管リスク期間を定量化し、全身炎症の大きさとリスクを結び付けたことで、高リスク期の監視や予防戦略の立案に資する。
限界
- ICD-10コードと時点情報に依存し、誤分類の可能性がある。
- 観察研究のため因果関係は不明で、院外イベントは捕捉されない。
今後の方向性
BSI後の高リスク期間における標的抗炎症・抗血栓介入の評価と、CRPや臨床因子を組み込んだリスク層別の検証を行う。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 人口規模EHRを用いた観察的自己対照症例系列。
- 研究デザイン
- OTHER