先天免疫活性化はCCL22を強力に抑制し、制御性T細胞—樹状細胞の相互作用を阻害する
総合: 85.5革新性: 9インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 8
概要
TLR、RLH、STING経路による先天免疫活性化はCCL22を強力に抑制し、制御性T細胞と樹状細胞のクラスター形成を減少させる。Salmonella感染モデルでも同様の抑制が再現され、敗血症患者では血清CCL22が低下しており、ヒト疾患との関連が示唆された。
主要発見
- TLR、RLH、STINGの活性化は樹状細胞のCCL22発現・分泌を強力に抑制した。
- 炎症性サイトカイン(IFN-α、IFN-γ、IL-10)が、B細胞・T細胞のTLR活性化後のCCL22抑制を仲介した。
- CCL22低下はin vitroでのTreg–DCクラスター減少と相関し、in vivoのSalmonella typhimurium感染でもリンパ組織のCCL22が低下した。
- 敗血症患者では対照群に比べ血清CCL22が有意に低下していた。
臨床的意義
敗血症でのCCL22低下は、Treg機能が減弱する早期の炎症優位相のバイオマーカーとなり得る。免疫表現型分類や病期に応じた免疫療法設計に資する可能性がある。
なぜ重要か
先天免疫活性化がCCL22抑制を介してTreg機能を一過性に弱める機序を示し、敗血症における免疫調整介入の至適タイミング検討に枠組みを与える。
限界
- 前臨床(マウス・in vitro)データが中心で、ヒト検体の規模や異質性の詳細が不明。
- ヒト敗血症での転帰に関する因果関係は未確立で、介入的検証が欠如。
今後の方向性
CCL22–Treg–DC軸の調整が免疫病理を悪化させずに病原体排除を改善するかを敗血症で検証し、適応的免疫療法試験での層別化バイオマーカーとしてCCL22を評価する。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- IV - 前臨床の機序実験にヒト症例対照の相関解析を付加したレベル。
- 研究デザイン
- OTHER