低・中所得国における経腟分娩予定妊婦への分娩時アジスロマイシンの感染予防効果:多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験データの事後解析
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
A-PLUS無作為化試験の事後解析では、分娩時のアジスロマイシン2g単回経口投与が母体感染を減少させ(4.0%対5.6%、RR 0.71[95%CI 0.64–0.79])、新生児感染の増加は認めなかった。低資源地域の複数施設で一貫した効果が示され、ITT解析で評価された。
主要発見
- 母体感染はアジスロマイシン群4.0%、プラセボ群5.6%であり、リスク比は0.71(95%CI 0.64–0.79、p<0.0001)であった。
- 新生児のいずれかの感染に群間差は認められなかった。
- 施設で調整したポアソンモデルを用いたITT解析で評価された。
臨床的意義
低資源地域で経腟分娩予定の妊婦に対し、母体感染減少を目的に分娩時アジスロマイシン2g単回経口投与の導入を検討すべきである。抗菌薬適正使用の枠組みの下で、耐性や地域の疫学を継続的に監視する必要がある。
なぜ重要か
LMICにおける分娩期の母体感染・敗血症予防として、簡便かつスケーラブルな介入の有効性を強化し、即時的な政策的意義を持つ。死亡・敗血症に加え、より広い感染アウトカムを具体化した点で重要である。
限界
- 事後解析であり、原試験の事前規定主要評価項目ではない
- 感染評価の追跡期間が抄録に明記されておらず、耐性発現の評価がない
今後の方向性
耐性サーベイランスを組み込んだ前向き実装研究、医療システム内での費用対効果評価、および高資源施設を含む多様な環境での検証が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験の事後解析
- 研究デザイン
- OTHER