敗血症におけるSOFA(Sequential Organ Failure Assessment)スコアのデータ駆動型改訂に向けた枠組みと解析的検討
Critical care and resuscitation : journal of the Australasian Academy of Critical Care Medicine•2025-03-31•PubMed
総合: 80.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
3カ国のICUコホートで、各ドメインの最適バイオマーカー選択と代謝ドメイン追加により構築したデータ駆動型SOFAは、現行SOFAより死亡予測能を一貫して改善した。AUROCとPR曲線の両方で優越性が確認された。
主要発見
- 代謝ドメインを追加したデータ駆動型SOFAは、米国・オランダ・オーストリアのICUコホートすべてで現行SOFAを上回った。
- AUROCの改善:米国0.766対0.727、オランダ0.700対0.653、オーストリア0.704対0.665(いずれもp<0.01)。
- 精度-再現曲線解析でも優越性が確認され、指標横断での堅牢性が示された。
臨床的意義
高リスク患者の早期同定や、敗血症試験での登録基準・交絡調整の精緻化を目的に、強化版SOFAを並行スコアとして試験的に運用する価値がある。
なぜ重要か
前向き検証と実装が進めば、敗血症の定義・トリアージの改訂や臨床試験・臨床現場でのリスク層別化の精度向上に直結し得るため。
限界
- 後ろ向き研究であり前向き臨床検証が未実施。
- エンドポイントは死亡に限定され、実装可能性や臨床影響は未検証。
今後の方向性
前向き検証、リアルタイム運用に向けたEHR統合、分類改善が管理や転帰を変えるかの介入評価。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 大規模多施設の後ろ向きコホートに基づく予後スコア枠組みの開発・検証。
- 研究デザイン
- OTHER