代謝的敗血症性ショックのサブフェノタイプ、その経時的安定性と臨床転帰との関連
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 7
概要
2つの敗血症性ショックRCTコホートで、474代謝物のk-means解析によりリピドーム、特にリゾリン脂質に規定される3つのサブフェノタイプを同定した。リゾリン脂質低値が持続する群はサイトカイン高値と死亡率上昇に関連し、ベースライン・サブフェノタイプによる治療効果の相互作用は認められなかった。
主要発見
- 敗血症性ショックに3つの代謝サブフェノタイプが存在し、主に脂質種(特にリゾリン脂質)により規定された。
- リゾリン脂質低値が持続するサブフェノタイプはサイトカイン高値と死亡率上昇に関連(例:LeoPARDSでOR 3.66および2.49、VANISHでOR 4.13および3.22、いずれもクラスタ1対比)。
- ベースライン代謝サブフェノタイプによる治療効果の相互作用は認められなかった。
臨床的意義
リゾリン脂質低値が持続する高リスク患者を代謝プロファイルの継時測定で拾い上げ、モニタリング強度や試験組入れ戦略の最適化に活用し得る。
なぜ重要か
代謝的・予後関連サブグループの同定は敗血症の精密医療を推進し、リゾリン脂質補充など検証可能な治療仮説を提示するため。
限界
- 事後的クラスタリングで過学習の可能性があり、試験集団外への一般化に限界。
- 現行治療選択に直結する治療効果の相互作用は示されなかった。
今後の方向性
前向き検証、ベッドサイド向け簡便パネルの開発、およびリゾリン脂質経路を標的とする介入試験の実施。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- II - RCTコホートの二次解析でメタボロミクスと機械学習を用いた予後サブグループの定義。
- 研究デザイン
- OTHER