PGC-1αはマイグラソーム分泌を介してマクロファージ‐筋線維芽細胞移行を促進し、敗血症関連肺線維症に寄与する
総合: 79.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
LPSモデルを用いて、肺線維芽細胞におけるPGC-1α低下がミトコンドリア障害とmtDNA含有マイグラソーム分泌を引き起こし、MMTを介して敗血症関連肺線維症を促進することを示しました。PGC-1α活性化によりマイグラソーム分泌とMMTが抑制され、線維化が軽減しました。線維芽細胞‐免疫細胞間のクロストークが治療標的になり得ます。
主要発見
- LPSは肺線維芽細胞のPGC-1αを抑制し、ミトコンドリア機能不全と細胞質mtDNA蓄積を惹起した。
- 線維芽細胞ストレスはmtDNA含有マイグラソーム分泌を促進し、MMTを開始させた。
- PGC-1α活性化によりマイグラソーム分泌とMMTが抑制され、in vivoで敗血症関連肺線維症が軽減した。
臨床的意義
前臨床段階ながら、PGC-1αの増強やマイグラソームシグナルの遮断により、敗血症/ARDS後の肺線維化を予防・軽減できる可能性が示唆され、長期予後改善に寄与し得ます。
なぜ重要か
線維芽細胞のミトコンドリア障害がマイグラソームを介してMMTを誘導し敗血症関連線維化に至る新機序を提示し、PGC-1α/マイグラソームという介入可能な治療軸を示した点が画期的です。
限界
- 前臨床モデルであり、敗血症後線維症患者での検証が未実施。
- LPS誘発モデルは臨床SAPFの不均一性を完全には再現しない可能性。
今後の方向性
敗血症後患者検体でのPGC-1α/マイグラソームシグネチャの検証と、PGC-1α活性化薬やマイグラソーム経路阻害薬の前臨床評価が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 動物・in vitroを用いた前臨床の機序研究
- 研究デザイン
- OTHER