好中球エラスターゼ阻害薬(シベレスタットナトリウム)の敗血症誘発急性呼吸窮迫症候群患者における酸素化への効果
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
多施設二重盲検RCT(n=70、早期中止)において、シベレスタットは敗血症誘発ARDSで早期の酸素化を改善し、28日死亡率低下の兆候を示しました。患者は48時間以内に無作為化され、5〜14日間の持続静注を受けました。
主要発見
- 多施設二重盲検無作為化プラセボ対照試験で、敗血症誘発ARDS発症48時間以内の70例を登録。
- シベレスタットは初期5日間でプラセボより酸素化を改善。
- 中間解析で群間死亡率差の兆候があり早期終了、シベレスタット群で28日死亡率低下のシグナルが示唆。
臨床的意義
シベレスタットは敗血症誘発ARDSの大規模検証試験で評価すべき候補であり、早期投与により好中球性肺障害を標的化できる可能性があります。現時点で日常診療への一般化は時期尚早です。
なぜ重要か
敗血症誘発ARDSに対するNE阻害という議論の多い介入に無作為化エビデンスを提供し、再現性が得られれば今後の試験・実臨床に影響し得ます。
限界
- 早期中止とサンプルサイズが小さく、死亡率に関する確定的結論は困難。
- 抄録情報が一部欠落しており、詳細評価には全文が必要。
今後の方向性
死亡率や人工呼吸器離脱日数を主要評価項目とする十分な検出力のRCTを実施し、バイオマーカーに基づく層別化で反応性の高い集団を同定すべきです。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 無作為化二重盲検プラセボ対照試験
- 研究デザイン
- OTHER