小児敗血症性ショックにおける腎障害バイオマーカーの経時変化:PRoMPT BOLUS試験内ネストコホート研究
Pediatric critical care medicine : a journal of the Society of Critical Care Medicine and the World Federation of Pediatric Intensive and Critical Care Societies•2025-04-02•PubMed
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
敗血症性ショック小児478例で、腎障害バイオマーカーは早期のAKI重症度と一致したが、退院前に持続高値だったのはシスタチンCのみであった。尿中NGAL高値はクレアチニン基準でAKIがない/軽症でも潜在性AKIと病院非滞在日数の減少を示した。48時間で>100 mL/kgの輸液は尿中NGALの持続高値のオッズを約2倍にした。
主要発見
- 測定した腎障害バイオマーカーは、受診時および2–3日目にKDIGOステージ2/3で有意に高値だった。
- 退院/死亡前(T3)に持続高値だったのは血漿シスタチンCのみであった。
- 初診時にAKIがない/軽症でも、尿中NGAL≥150 ng/mLは潜在性AKIを示し病院非滞在日数が少なかった。
- 48時間で>100 mL/kgの輸液は尿中NGALの持続高値と関連(IPTW調整OR 2.7、95% CI 1.1–6.2)。
臨床的意義
潜在性AKIの早期検出と輸液スチュワードシップのために尿中NGALやシスタチンCの活用を検討すべきである。RCTでの検証を待ちつつ、48時間で>100 mL/kgの輸液は可能な限り回避し、腎バイオマーカーを早期から監視する。
なぜ重要か
小児敗血症性ショックにおけるバイオマーカーによるリスク層別化を支持し、大量輸液が腎障害シグナルを悪化させうる可能性を示した。
限界
- 事前規定なしのバイオマーカー副解析であり、3施設間で選択バイアスの可能性。
- 長期腎アウトカムがなく、クレアチニン基準は尿細管障害を見逃す可能性。
今後の方向性
バイオマーカーに基づく輸液戦略のランダム化試験、尿中NGAL閾値の検証、EHRアラートと連携した輸液関連腎障害の予防実装が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 適切に設計された前向き観察コホート研究
- 研究デザイン
- OTHER