患者悪化のリアルタイム監視システム:実践的クラスターランダム化比較試験
総合: 85.5革新性: 8インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
60,893件を対象とした多施設クラスターRCTで、看護記録由来の機械学習EWSは、院内死亡リスク(HR 0.64)の低下、在院日数(IRR 0.91)の短縮、敗血症リスク(HR 0.93)の低下を示し、未予定ICU転棟(HR 1.25)は増加しました。有害事象は報告されていません。
主要発見
- 介入ユニットで院内死亡の瞬間リスクが35.6%低下(補正HR 0.64, 95% CI 0.53-0.78)。
- 在院日数が11.2%短縮(補正IRR 0.91, 95% CI 0.90-0.93)。
- 敗血症の瞬間リスクが7.5%低下(補正HR 0.93, 95% CI 0.86-0.99)。
- 未予定ICU転棟が24.9%増加(補正HR 1.25, 95% CI 1.09-1.43)。有害事象は報告なし。
臨床的意義
看護記録駆動型EWSの導入は死亡・敗血症の低減に寄与しうる一方で、(早期対応による)ICU転棟の増加を見越した運用設計が必要です。
なぜ重要か
AI支援EWSが死亡や敗血症発生といったハードアウトカムを多施設で改善できることを示す高品質なランダム化エビデンスです。
限界
- 看護記録やEHR統合の運用実態により一般化可能性が左右されうる
- アルゴリズムの透明性や外部検証の詳細が抄録からは十分に読み取れない
今後の方向性
多様なEHR・施設への適用可能性の検証、ICU転棟増加の機序解明、費用対効果および医療公平性への影響評価が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- I - 2つの医療圏で実施された実践的クラスターランダム化比較試験
- 研究デザイン
- OTHER