米国退役軍人におけるCOVID-19陽性と陰性の比較での他病原体感染率(2021年11月〜2023年12月):後ろ向きコホート研究
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
米国退役軍人836,913例では、COVID-19陽性は陰性に比べ、12カ月以内の多様な感染症および敗血症を含む感染症関連入院が増加した。非入院の陽性者で外来感染症(RR 1.17)、呼吸器感染症(RR 1.46)、感染症関連入院(RR 1.41)が上昇し、急性期入院者ではさらに高かった。季節性インフルエンザ入院との比較でも、COVID-19入院は敗血症入院が高率(RR 1.35)であった。
主要発見
- 検査陰性対照と比べ、非入院のCOVID-19陽性者は外来での感染症診断(RR 1.17, 95% CI 1.15–1.19)と呼吸器感染症(RR 1.46, 95% CI 1.43–1.50)が増加した。
- 敗血症や呼吸器感染症を含む感染症関連入院はCOVID-19後で高率(RR 1.41, 95% CI 1.37–1.45)であった。
- 急性期にCOVID-19で入院した者は、非入院の陽性者より概して高いリスクを示した。
- 季節性インフルエンザ入院と比較して、COVID-19入院は感染症関連入院(RR 1.24)、敗血症入院(RR 1.35)、入院中の抗菌薬使用(RR 1.23)が高率であった。
臨床的意義
COVID-19後患者には、感染予防策の強化、ワクチン最適化、敗血症早期警戒が必要である。リスク層別化によりフォローと早期介入を適切化できる。
なぜ重要か
COVID-19後に感染症および敗血症リスクが持続的に上昇することを大規模データで示し、監視・予防戦略の策定に資する。
限界
- 後ろ向き電子カルテ研究のため、残余交絡や誤分類を完全には否定できない。
- 米国退役軍人に限定されるため一般化可能性に制約があり、受療行動の差も影響し得る。
今後の方向性
COVID-19後の感受性増大の免疫学的機序を解明し、敗血症・感染症負荷を減らす標的型予防・監視戦略を検証する。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 大規模かつ調整解析を伴う良好な後ろ向きコホート研究
- 研究デザイン
- OTHER