米国10州における侵襲性A群レンサ球菌感染症
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
米国10州の人口ベース監視(21,312例、死亡1,981例)で、侵襲性GASの発生率は2013年の3.6/10万から2022年の8.2/10万へ上昇し、18–64歳で相対増加が最大、絶対率は65歳以上で最高でした。高リスク群は米国先住民系、ホームレス、注射薬物使用者、介護施設入所者で、マクロライド/クリンダマイシン非感受性は12.7%から33.1%へ増加しました。
主要発見
- 2013–2022年に米国10州で21,312例(死亡1,981例)の侵襲性GASが確認された。
- 発生率は3.6から8.2/10万人へ上昇し、18–64歳で相対増加が最大、≥65歳で絶対率が最高だった。
- 米国先住民系、ホームレス、注射薬物使用者、介護施設入所者で発生率が高かった。
- マクロライド/クリンダマイシン非感受性は12.7%から33.1%へ上昇した。
臨床的意義
高リスク群に対する監視強化と標的予防が必要です。クリンダマイシン非感受性の上昇は重症GAS(例:レンサ球菌性毒素性ショック)での抗毒素補助療法に影響し得るため、補助療法選択時には地域感受性の確認が推奨されます。
なぜ重要か
侵襲性GASの10年間での倍増とマクロライド/クリンダマイシン非感受性の上昇を明確化し、リスク層別予防と経験的治療選択に直結する知見です。
限界
- 観察研究のため因果推論は限定的で、施設間の把握率や報告にばらつきの可能性
- 監視は10州に限定され、全米推計への一般化には限界がある
今後の方向性
発生率上昇の要因解析、耐性表現型別の臨床転帰評価、高リスク集団におけるGASワクチン開発と実装研究の加速が課題です。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- II - 大規模・前向きの人口ベース監視コホート
- 研究デザイン
- OTHER