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ATG16L1は敗血症性肺障害においてマクロファージのNLRP3活性化および肺胞上皮細胞傷害を抑制する

Clinical and translational medicine2025-04-11PubMed
総合: 87.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8

概要

遺伝学的・薬理学的手法により、骨髄系ATG16L1がROS–NLRP3–cGAS-STINGの正のフィードバックを抑え、敗血症性肺障害での炎症と肺胞上皮傷害を制御することを示した。ROS除去やSTING阻害により障害は軽減され、ATG16L1過剰発現でも重症度が低下した。

主要発見

  • 骨髄系ATG16L1欠損はLPS誘発敗血症性肺障害を増悪させ、炎症反応を亢進させた。
  • ATG16L1欠損マクロファージではミトコンドリアROSが蓄積しNLRP3が活性化。上皮細胞からのdsDNA放出がcGAS-STINGを活性化し、NLRP3活性化の正のフィードバックが形成された。
  • ミトコンドリアROS除去またはSTING阻害はNLRP3活性化と肺障害を軽減し、ATG16L1過剰発現でも重症度が低下した。

臨床的意義

前臨床段階ではあるが、STINGやNLRP3経路阻害薬、ATG16L1機能増強などマクロファージオートファジーを高める戦略の臨床検証を優先すべきことを示唆する。

なぜ重要か

オートファジー低下が炎症小体およびcGAS-STING活性化へ連なる統合的経路を特定し、敗血症性肺障害の複数の治療介入点を提示した。

限界

  • LPS誘発ALIは多菌性のヒト敗血症を完全には再現しない可能性がある。
  • ヒト検体での検証や臨床試験データがない。

今後の方向性

多菌性敗血症モデルおよびヒト検体での検証を行い、マクロファージ標的のオートファジー増強やSTING/NLRP3阻害薬の橋渡し研究を進める。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 動物・細胞モデルによる前臨床の機序研究
研究デザイン
OTHER