敗血症関連急性肝障害における死亡リスク層別化のためのサブフェノタイプとDe Ritis比:後ろ向きコホート研究
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
2つのICUデータベースで、肝障害を伴う敗血症患者は30日死亡が顕著に高かった。De Ritis(AST/ALT)比は最も強く予後を層別化し、≤1は有意差なし、1–2でリスク上昇(HR1.56)、≥2で最大(HR2.46)となり、外部検証でも再現された。
主要発見
- 敗血症関連肝障害は非SALIに比べ30日死亡リスクが約2倍(HR 1.73)。
- De Ritis比で死亡が層別化:≤1(有意差なし)、1–2(HR 1.56)、≥2(HR 2.46)。
- 外部ICUコホートで再現。R factorやALT高値も層別化可能だが劣後した。
臨床的意義
肝障害が疑われる敗血症の初期評価にDe Ritis比を組み込み、AST/ALT≥1の高リスク患者を識別して厳格なモニタリングや介入の優先度付けに活用できる。
なぜ重要か
簡便で普遍的な比(AST/ALT)が、敗血症関連肝障害の予後を堅牢に層別化し、即時のベッドサイド応用を可能にするため重要である。
限界
- 後ろ向き研究であり、残余交絡の可能性がある。
- AST/ALTは筋傷害など肝外要因の影響を受け得るため、特異性に影響しうる。
今後の方向性
前向き検証とDe Ritis比の敗血症リスクスコアへの統合、比に基づくプロトコルが転帰を改善するかの介入研究が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 外部検証を伴う大規模後ろ向きコホート研究。
- 研究デザイン
- OTHER