敗血症診断における各種バイオマーカーおよびスコアリングシステムの診断精度の比較:系統的レビューとベイズ診断精度ネットワーク・メタアナリシス
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
78研究(34,234例)を対象としたベイズ型DTAネットワーク・メタアナリシスで、CD64はsTREM-1やプレセプシン、qSOFAやSIRSといった臨床スコアより高い診断性能を示しました。研究デザイン、敗血症割合、サンプルサイズ、選択バイアスが異質性の主因でした。
主要発見
- 敗血症診断のバイオマーカーと臨床スコアを比較する78研究・34,234例を統合。
- CD64は最も高い診断性能(DOR 20.17;中等度のエビデンス)を示し、sTREM-1やプレセプシンを上回った。
- バイオマーカーはqSOFAやSIRSよりも敗血症の検出に有効だった。
- メタ回帰で、研究デザイン、敗血症割合、サンプルサイズ、選択バイアスが主な異質性要因と判明。
臨床的意義
CD64の測定を敗血症スクリーニングやトリアージに組み込むことが検討されます。導入に際しては、検査の可用性、結果報告時間、費用対効果を考慮すべきです。
なぜ重要か
Sepsis-3以降のエビデンスを網羅的に比較し、敗血症検出における最適なバイオマーカー選択を支援するため、診断アルゴリズムや将来のガイドライン改訂に影響します。
限界
- 検査法やカットオフの不均一性により直接比較性が制限される可能性
- エビデンス質が中等度〜低であり、出版・選択バイアスの影響が残る
今後の方向性
アッセイとカットオフを標準化した前向き直接比較試験、マルチマーカーパネルの評価、費用対効果を含む実装研究が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- I - 診断精度研究の系統的レビューおよびネットワーク・メタアナリシス
- 研究デザイン
- OTHER