コリスチンは宿主防御との相乗作用を介してmcr陽性腸内細菌科に強力な活性を示す
総合: 83.0厳密性: 8革新性: 9ジャーナル: 8臨床: 8
概要
生理学的条件下では、コリスチンはmcr-1陽性腸内細菌科に対し殺菌活性を保持し、補体沈着を増強して血清と相乗的に殺菌した。ヒト新鮮血およびマウス菌血症モデルで有効性が示され、従来のASTに基づくコリスチン除外に異議を唱える。
主要発見
- 生理的重炭酸塩を含む培地では、コリスチンはmcr-1陽性E. coli、K. pneumoniae、S. entericaに対して殺菌活性を保持した。
- コリスチンは補体沈着を増強し、ヒト血清と相乗的にmcr-1陽性病原体を殺菌した。
- 臨床到達濃度で、ヒト新鮮血中のmcr-1陽性菌を殺菌し、マウスE. coli菌血症モデルで単剤有効性を示した。
- 従来の富栄養培地でのASTではこの活性が検出されず、現行試験が生体内有効性を過小評価している可能性を示した。
臨床的意義
臨床家と微生物検査室は生理学的条件を反映した感受性試験を検討すべきであり、補体系が保たれた症例ではmcr-1陽性感染(菌血症・敗血症など)に対するコリスチン再評価の余地がある。前向き臨床試験が望まれる。
なぜ重要か
生理学的条件下でmcr-1陽性病原体に対するコリスチンの有効性を示し、臨床微生物検査の実務を見直し、最終選択薬の再活用につながる可能性を示した。
限界
- ヒト臨床試験がなく、補体欠損など免疫状態により外的妥当性が変動する可能性がある。
- 対象がmcr-1中心であり、他のmcr亜型や耐性機序への一般化には追加検証が必要。
今後の方向性
生理的緩衝液や血清成分を取り入れたASTへの再設計と、免疫表現型の評価を含むmcr-1陽性菌血症・敗血症におけるコリスチン(単剤または併用)の前向き試験が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例集積
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 臨床転帰を伴わない前臨床の機序・トランスレーショナル実験。
- 研究デザイン
- OTHER