敗血症性心筋症におけるエストロゲン関連受容体γ:心筋サブタイプ変換の役割
総合: 88.5革新性: 9インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
単一核RNAシーケンスと複数モデルにより、敗血症はERRγ低下を介して収縮型心筋を損傷応答型へと変換し、収縮能と引き換えに細胞保護を得ることが示された。急性期後のERRγアゴニストは収縮型へ再変換させ心機能を改善し、ヒト心での検証もなされた。
主要発見
- 正常心筋は収縮型・損傷応答型・移行型の3サブタイプから成る。
- 敗血症はERRγ低下を介して収縮型から損傷応答型への変換を誘導し、収縮能低下と引き換えにROSと傷害を抑制する。
- 急性期後のERRγアゴニストは損傷応答型を収縮型へ再変換し心機能を改善し、ヒト心での検証も行われた。
臨床的意義
SICMにおける収縮能回復のため、急性期後のERRγ標的治療の有効性と至適タイミング戦略を示唆し、臨床試験設計に資する。
なぜ重要か
SICMの核心機序として心筋サブタイプ変換を提示し、in vivoで機能回復を示したERRγを創薬可能な標的として提示したため。
限界
- 主として前臨床研究であり、臨床での有効性・安全性確認が必要
- ヒトにおけるERRγアゴニストの至適タイミング・用量設定の精緻化が必要
今後の方向性
バイオマーカーに基づく投与タイミングを組み込んだERRγアゴニストのSICMを対象とした第I/II相試験と、可逆性の時間窓や標準治療との相互作用の解明。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - ヒト組織での検証を含む前臨床機序研究
- 研究デザイン
- OTHER