メインコンテンツへスキップ

敗血症における多様なプログラム細胞死パターンの包括的解析

Frontiers in immunology2025-12-05PubMed
総合: 76.0革新性: 9インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 7

概要

バルクおよび単一細胞トランスクリプトームの統合解析により、敗血症で4つのPCD経路が亢進し、単球が細胞死・代謝・免疫通信を結びつける中心であることが示されました。18遺伝子からなるCDSスコアは複数データセットと独立コホートで高いAUCを示し、診断・層別化への有用性を支持します。

主要発見

  • 鉄依存性細胞死、ジスルフィドトーシス、NETosis、エントーシス性細胞死の4経路が有意に亢進し、免疫細胞浸潤と強く相関した。
  • 18遺伝子からなるCDSリスクスコアは公的データセットでAUC 0.961および0.844、独立RNA-seqで0.975を達成した。
  • 単一細胞解析により、単球が代謝再プログラムと異常な細胞間シグナル(MIF–CXCR4、ANXA1–FPR2、HLA–KIR)を伴う主要エフェクターであることが示された。

臨床的意義

探索的段階ではあるが、CDSスコアは診断・トリアージ検査へ発展し、単球主導のPCD−代謝軸を標的とする精密免疫治療の指針となり得ます。導入には前向き臨床検証が必要です。

なぜ重要か

敗血症における過小評価された細胞死様式を明らかにし、高精度の診断シグネチャを提示した点で、機序解明と臨床応用の双方に資する可能性があります。

限界

  • 介入を伴わない観察的オミクス研究であり、因果性の検証が未実施
  • 統合データセット間のバッチ効果や臨床表現型の限定性の可能性

今後の方向性

CDSスコアの多施設前向き検証、臨床グレード検査の開発、単球PCD−代謝経路を標的とする介入試験、免疫療法に対する予測能の評価。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
病態生理/診断
エビデンスレベル
IV - 機序解明を目的とした観察的オミクス解析(外部検証あり、介入なし)
研究デザイン
OTHER