敗血症転帰を改善する精密免疫療法:ImmunoSep ランダム化臨床試験
総合: 84.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
276例の無作為化で、表現型に基づく精密免疫療法は日9までのSOFA平均1.4点以上低下達成率をプラセボより増加させました(35.1% vs 17.9%;差17.2%;P=.002)。28日死亡率の有意差は認めませんでした。アナキンラ群で貧血、IFN-γ群で出血が増加しました。
主要発見
- 主要評価項目達成:日9までのSOFA平均1.4点以上低下が35.1% vs 17.9%(差17.2%、95%CI 6.8–27.2;P=.002)。
- 28日死亡率に有意差はなし(精密免疫療法 vs プラセボ)。
- 重篤な有害事象は高頻度(88.8%);アナキンラで貧血、IFN-γで出血の増加が観察。
臨床的意義
高フェリチンや単球HLA-DR低下に基づく免疫表現型評価により、標的免疫療法の候補を選別できる可能性を示します。有害事象と死亡率非改善を踏まえ、早期エンドタイピングと厳密な安全性管理が求められます。
なぜ重要か
免疫エンドタイプに基づく有効な免疫療法を示した多国間二重盲検RCTであり、重症領域の精密医療を前進させる重要な知見です。
限界
- 臓器機能改善にもかかわらず28日死亡率の改善は認められない
- 症例数は中等規模で施設間・表現型間の不均質性や安全性シグナル(貧血、出血)の可能性
今後の方向性
死亡率を主要評価とした大規模試験、エンドタイピングの閾値・タイミングの最適化、併用療法戦略、標的薬同士の直接比較が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 二重盲検プラセボ対照ランダム化試験による最上位の臨床エビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER