敗血症性ショック患者における救急外来から集中治療室への転棟時間と死亡率の関連:韓国におけるターゲットトライアル模倣研究
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
815例の敗血症性ショック患者を対象とした多施設ターゲットトライアル模倣研究で、3時間以内のICU転棟が院内死亡率の低下と関連し、6時間まで遅延するほどリスクが上昇しました。ECMOやCRRTを要する患者で恩恵が大きく、救急外来滞留を減らす体制整備の重要性が示されました。
主要発見
- 救急外来からICUへの転棟時間の中央値は6.7時間で、3時間以内は7%にとどまった。
- 3時間以内のICU転棟は院内死亡の低下と関連(OR 0.48, 95%CI 0.24-0.94)。
- 6時間までの遅延で死亡リスクが上昇して頭打ちとなり、ECMO/CRRTが必要な患者で恩恵が最大(交互作用P=0.02)。
臨床的意義
敗血症性ショックでは3時間以内のICU転棟を優先し、特にECMO/CRRTが想定される症例で遅延を回避する体制(早期警戒・指標管理)を導入すべきです。
なぜ重要か
敗血症性ショックにおけるICU転棟の至適タイムフレーム(3時間以内)を具体化し、救急・集中治療の運用改善に直結するエビデンスを提供します。
限界
- 観察研究であり残余交絡の可能性や地域の診療慣行の影響がある(韓国)。
- 3時間以内転棟が7%と少なく、推定精度に影響し得る。
今後の方向性
滞留削減の体制変更を検証する前向き介入試験、早期警戒スコアや資源トリアージとの統合、多様な医療体制での外部妥当化が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 因果推論手法を用いた多施設観察コホートの良質な研究。
- 研究デザイン
- OTHER