メインコンテンツへスキップ

小児敗血症疑い患者の退院後死亡:ルワンダの農村・都市医療現場からの知見

PLOS global public health2025-12-11PubMed
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7

概要

敗血症疑いで入院したルワンダ小児1,218例の全死亡は9.4%で、半数は退院後(4.7%)に発生。退院後死亡は0–6か月で10%と最高、都市病院で高率であった。リスク因子として、乳児では重度栄養不良(調整OR 3.31)と母親教育の低さ、年長児では異常Blantyreスコア、通院時間>1時間、上位施設への紹介が同定された。

主要発見

  • 総死亡9.4%(院内4.7%、退院後4.7%);退院後死亡までの中央値は約33–38日。
  • 退院後死亡は0–6か月で10%と最高、都市病院(キガリ)で高率(10.3% vs 2.7%)。
  • 乳児では重度栄養不良が死亡リスク(aOR 3.31)を高め、母親の高学歴は防御的(aOR 0.15)。
  • 6–60か月では異常Blantyreスコア(aOR 3.28)、通院>1時間(aOR 3.54)、上位施設紹介(aOR 4.13)が死亡予測因子。

臨床的意義

退院後2–6週の系統的フォロー、保護者カウンセリング、栄養支援、地域保健ワーカーによる監視を導入し、高リスク乳児を優先すべきである。

なぜ重要か

見過ごされがちな小児敗血症の退院後死亡負荷を定量化し、低中所得国で修正可能な社会・臨床リスク因子を同定した点で意義が大きい。

限界

  • ルワンダの2施設での研究であり一般化可能性に制限
  • 敗血症の定義が疑い/確定を含むため症例の不均質性が生じうる

今後の方向性

拡張可能な退院後ケア・バンドルやモバイルヘルス追跡の有効性を検証し、費用対効果と公平性への影響をLMICで評価する。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
II - 多変量リスク解析を伴う退院後転帰の前向きコホート研究
研究デザイン
OTHER