小児敗血症疑い患者の退院後死亡:ルワンダの農村・都市医療現場からの知見
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
敗血症疑いで入院したルワンダ小児1,218例の全死亡は9.4%で、半数は退院後(4.7%)に発生。退院後死亡は0–6か月で10%と最高、都市病院で高率であった。リスク因子として、乳児では重度栄養不良(調整OR 3.31)と母親教育の低さ、年長児では異常Blantyreスコア、通院時間>1時間、上位施設への紹介が同定された。
主要発見
- 総死亡9.4%(院内4.7%、退院後4.7%);退院後死亡までの中央値は約33–38日。
- 退院後死亡は0–6か月で10%と最高、都市病院(キガリ)で高率(10.3% vs 2.7%)。
- 乳児では重度栄養不良が死亡リスク(aOR 3.31)を高め、母親の高学歴は防御的(aOR 0.15)。
- 6–60か月では異常Blantyreスコア(aOR 3.28)、通院>1時間(aOR 3.54)、上位施設紹介(aOR 4.13)が死亡予測因子。
臨床的意義
退院後2–6週の系統的フォロー、保護者カウンセリング、栄養支援、地域保健ワーカーによる監視を導入し、高リスク乳児を優先すべきである。
なぜ重要か
見過ごされがちな小児敗血症の退院後死亡負荷を定量化し、低中所得国で修正可能な社会・臨床リスク因子を同定した点で意義が大きい。
限界
- ルワンダの2施設での研究であり一般化可能性に制限
- 敗血症の定義が疑い/確定を含むため症例の不均質性が生じうる
今後の方向性
拡張可能な退院後ケア・バンドルやモバイルヘルス追跡の有効性を検証し、費用対効果と公平性への影響をLMICで評価する。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 多変量リスク解析を伴う退院後転帰の前向きコホート研究
- 研究デザイン
- OTHER