整形外科手術におけるデクスメデトミジンの周術期効果:術後疼痛と神経認知機能に関するRCTの系統的レビュー/メタ解析(試験逐次解析付き)
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
59件のRCT(n=7,713)で、デクスメデトミジンは術後疼痛(VAS MD -0.50)とオピオイド消費量(MD -11.91)を減少させ、POCD(RR 0.59)とPOD(RR 0.49)を抑制しました。試験逐次解析と感度分析により頑健性が確認されました。
主要発見
- 術後疼痛(VAS MD -0.50)とオピオイド消費量(MD -11.91)が減少した。
- 術後認知機能障害(RR 0.59)と術後せん妄(RR 0.49)が低下した。
- 運動ブロック(MD 1.70)・感覚ブロック(MD 1.80)を延長し、初回救済鎮痛までの時間(MD 1.51)を遅延。試験逐次解析で頑健性が支持。
臨床的意義
整形外科手術における多角的鎮痛・鎮静の一環としてデクスメデトミジンの使用を検討し、疼痛・オピオイド使用・せん妄・認知障害の低減を図るべきです。徐脈・低血圧に留意し、併存疾患に応じて用量調整します。
なぜ重要か
デクスメデトミジンが鎮痛と神経認知アウトカムを改善する高次エビデンスを統合し、重要な周術期品質指標に資するため、臨床的影響が大きい。
限界
- 用量、術式、評価時点の不均質性が大きい
- 出版バイアスの可能性や有害事象報告の限界
今後の方向性
至適用量・投与タイミングの直接比較試験や循環動態リスクとのバランス評価、標準化したせん妄・認知評価を用いた高リスク集団での検証が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療/予後
- エビデンスレベル
- I - 試験逐次解析を含むランダム化比較試験の統合
- 研究デザイン
- OTHER