小児患者の周術期不安低減におけるビデオゲーム対ミダゾラムの比較有効性:系統的レビューとメタアナリシス
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
6件のランダム化試験(n=612)で、ビデオゲーム介入は経口ミダゾラムに比べ、親からの分離(SMD -0.31;高確実性)とマスク導入(SMD -0.29;中等度確実性)の不安を低減し、術後行動を改善、PACU滞在を約19分短縮した。覚醒時せん妄には差がなかった。
主要発見
- 親からの分離時の不安はミダゾラムより低下(SMD -0.31、95%CI -0.50~-0.12、P=.001;高確実性)。
- マスク導入時の不安も低下(SMD -0.29、95%CI -0.52~-0.05、P=.02;中等度確実性)。
- 術後行動が改善(SMD -0.35、95%CI -0.62~-0.09、P=.008)、PACU滞在が短縮(平均 -19.43分、95%CI -31.71~-7.16、P=.002);覚醒時せん妄は有意差なし。
臨床的意義
年齢に応じたビデオゲーム介入を前処置の第一選択または併用として導入し、ベンゾジアゼピン使用とPACU滞在の削減を図る一方、覚醒時せん妄は標準プロトコルで監視することが推奨される。
なぜ重要か
小児周術期不安に対し、拡張性の高い非薬理学的デジタル介入が標準的ベンゾジアゼピン前投与を上回り得ることを統合的に示した。
限界
- 対象RCTは6件にとどまり、ゲーム内容・介入タイミング・不安評価尺度に不均一性がある
- 一部アウトカムの確実性は中等度にとどまり、長期的行動や資源利用の評価は限られる
今後の方向性
多様な小児診療現場でデジタル介入とベンゾジアゼピンを直接比較する実用的試験、費用対効果・実装科学評価、年齢や神経発達状況に応じた個別化研究が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - リスク・オブ・バイアス評価とGRADEを伴うランダム化比較試験のメタアナリシス
- 研究デザイン
- OTHER