入院中の術後死亡:術前入院患者と待機手術患者の比較
総合: 77.5革新性: 8インパクト: 9厳密性: 7引用可能性: 8
概要
125万件の大手術において、院内術後死亡の約95%が非待機手術後に発生し、非待機手術は症例の70%を占めた。待機手術の死亡リスクは著明に低く(相対リスク0.13)、主要合併症も少なかった。周術期死亡低減の公衆衛生・質改善の焦点を、術前から入院している患者や外傷関連手術に移す必要がある。
主要発見
- 非待機手術は院内術後死亡20,874例の94.5%を占め、入院全体の70%を占めた。
- 待機手術の死亡相対リスクは0.13(95%CI 0.12–0.14)で非待機より著明に低い。
- 急性腎障害、院内肺炎、主要心血管事象、感染は待機群でいずれも少なかった。
臨床的意義
待機手術と非待機手術の死亡率を分けて評価すべき。死亡負担の大きい術前入院・外傷関連患者に対し、周術期最適化、モニタリング、術後ケア経路を優先的に強化する。
なぜ重要か
待機と非待機手術を明確に区別することで、周術期死亡の評価軸を再定義し、麻酔科・周術期医療における資源配分や質改善の重点領域を具体化する。
限界
- 後ろ向き研究でコーディングや残余交絡の可能性
- 単一州(フロリダ、2021–2022年)かつ院内転帰のみに限定
今後の方向性
非待機手術特異的なリスク調整済み周術期死亡指標の開発と、入院・外傷患者集団に対する標的介入の検証。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 待機と非待機手術の転帰を比較した大規模後ろ向きコホート
- 研究デザイン
- OTHER