全身麻酔後の周術期神経認知機能に対する筋弛緩拮抗薬の影響:系統的レビューとメタアナリシス
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
10件のRCT(n=1705)で、スガマデクスはネオスチグミンに比べ早期PNDを減少(RR 0.67)し、有害事象の増加はみられずTOF回復も速かった。術直後期の神経認知面での優位性が示唆される。
主要発見
- 全身麻酔下の10RCT(1705例)を対象とした系統的レビュー/メタアナリシス。
- スガマデクスはネオスチグミンに比べ、術後早期のPNDを減少(RR 0.67; 95%CI 0.48–0.94)。
- 有害事象の増加はなく、TOF≥0.9への回復が速かった。
臨床的意義
高齢や認知脆弱性など早期PNDリスクが懸念される症例では、費用と供給状況を考慮しつつ、ネオスチグミンよりスガマデクスを選好する判断が支持される。
なぜ重要か
臨床的に重要で頻度の高いPNDに関し、拮抗薬選択に影響し得る比較エビデンスを提示している。
限界
- PNDの定義や認知評価法に不均質性があり、追跡は概ね7日以内に限定。
- 出版バイアスの可能性と、同一レジメンの直接比較試験数が限られる。
今後の方向性
長期の神経認知転帰、費用対効果、フレイルや基礎認知障害などのサブグループ効果を検証するRCTが必要である。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 拮抗薬を比較したRCTの系統的レビューとメタアナリシス。
- 研究デザイン
- OTHER