ポイントオブケアでの同種赤血球洗浄が輸血関連呼吸合併症マーカーに及ぼす影響:第II相ランダム化臨床試験
総合: 76.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 6
概要
心臓手術患者154例のランダム化試験で、ポイントオブケア洗浄赤血球は肺障害バイオマーカー、心肺生理反応、ICU・在院日数、人工呼吸・酸素フリー日数、TRALI/TACOや死亡率をいずれも改善しなかった。洗浄に予防的効果があるとの仮説を否定する結果である。
主要発見
- 洗浄群と標準群で肺障害バイオマーカーに差は認めなかった。
- ICU・在院日数、人工呼吸・酸素フリー日数はいずれも差がなかった。
- TRALI、TACO、急性腎障害、死亡率の発生率に差はなかった。
臨床的意義
心臓手術での同種赤血球のルーチン洗浄はTRALI/TACOリスクや回復改善をもたらさないため、エビデンスに基づく輸血管理とリスク低減策を優先すべきである。
なぜ重要か
資源集約的な実践が転帰を改善しないことを示し、輸血の適正化と周術期資源配分に重要な根拠を提供する。
限界
- 非盲検介入でありパフォーマンスバイアスの可能性
- 主要評価が中間指標であり、稀な臨床イベントには検出力不足の可能性
今後の方向性
輸血関連肺障害の低減に向けた代替戦略と高リスク表現型の同定に注力し、臨床転帰を主要評価とするターゲット試験を検討する。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 2施設で実施された事前規定アウトカムをもつランダム化臨床試験
- 研究デザイン
- OTHER