小児足関節手術における膝窩神経ブロック後の鎮痛持続時間に対する静注デキサメタゾンの効果:無作為化三重盲検臨床試験
総合: 78.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 7
概要
足部・足関節手術の小児90例を対象とした三重盲検RCTで、膝窩ブロック前の静注デキサメタゾン0.1/0.2 mg/kgはプラセボに比べてオピオイド不要時間を有意に延長し、特に0.2 mg/kgでオピオイド使用量を最小化し、疼痛・炎症指標を低下させました。一方で、用量依存的な高血糖と運動回復の遅延が認められました。
主要発見
- 0.1および0.2 mg/kgの静注デキサメタゾンは、プラセボと比較してオピオイド不要期間を有意に延長しました(約12–14時間対7.5時間、p < 0.0001)。
- 総オピオイド消費量は0.2 mg/kg群で最も少なくなりました(p = 0.0292)。
- 疼痛スコア(FLACC)と炎症指標(NLR、PLR)はデキサメタゾン群で低下し、血糖上昇と運動回復遅延は用量依存的に増加しました。
臨床的意義
小児足部・足関節手術での膝窩ブロックの補助として静注デキサメタゾンの併用を検討すべきです。0.2 mg/kgは効果最大ですが高血糖や運動回復遅延が増える可能性があり、0.1 mg/kgは有効性と代謝安全性のバランスが良好です。血糖監視と一過性の筋力低下についての説明が必要です。
なぜ重要か
小児区域麻酔の鎮痛延長に対し、簡便で拡張性の高い介入の有効性を高品質な無作為化試験で示し、明確な用量反応と安全性のトレードオフを提示します。
限界
- 単施設・中等度サンプルサイズ(n=90)
- 短期評価のみで、術直後以降の代謝影響は未評価
今後の方向性
多施設試験による有効性・安全性の検証、併存疾患(例:糖尿病)での至適用量評価、長期の神経行動学的転帰の検討が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - プラセボ対照の三重盲検ランダム化比較試験
- 研究デザイン
- OTHER