手術室の空気ろ過・殺菌と手術部位感染:110,538件の手術を対象としたORACLE無作為化試験
86.5総合(100 点満点)
- 研究デザイン
- 研究デザイン 10(10 点満点)
- 新規性
- 新規性 6(10 点満点)
- 掲載誌
- 掲載誌 10(10 点満点)
- 臨床的意義
- 臨床的意義 9(10 点満点)
概要
68手術室、11万件超の手術を対象とした完全盲検クラスター無作為化試験で、手術室への追加空気殺菌の効果を検証した。入院手術における30日以内の手術創感染、感染関連合併症、死亡の複合転帰は実介入群8.1%、偽介入群8.2%で、差は認められず、無益性のため試験は中止された。
主要発見
- 無作為化された入院患者58,938人では、主要複合転帰は実際の空気清浄化群8.1%、偽装装置群8.2%であった。
- 効果推定値は無効を示す値に近く、オッズ比は0.98、95%信頼区間は0.92~1.05、P=0.609であった。
- 試験は事前規定の無益性境界を超えて中止され、入院患者と外来患者を合わせた解析でも利益は認められなかった。
臨床的意義
手術室への追加空気清浄化を、手術部位感染や死亡を減少させる対策として routine に導入すべきとはいえない。感染対策では、効果が実証されていない高コストの空気処理装置よりも、創部への直接汚染を防止するエビデンスに基づく対策を優先すべきである。
なぜ重要か
費用を要し、生物学的には妥当と考えられていた感染対策介入に対し、極めて強い否定的エビデンスを示した。大規模性、盲検化、クラスター無作為化、無益性による中止基準により、感染予防資源を創部への直接的な汚染防止へ再配分する根拠となる。
限界
- 本研究は参加施設の手術室環境における追加空気清浄化を評価したものであり、すべての換気システムや手術環境に一般化できるとは限らない。
- 資金提供者は原プロトコルを承認しており、データ収集、解析、論文作成には関与していないものの、潜在的な利益相反を考慮する必要がある。
今後の方向性
今後は、創部への直接汚染経路、高リスク手術における標的化された環境介入、確立した感染予防バンドルの実用的比較に研究資源を集中すべきであり、追加空気殺菌の routine 使用を優先すべきではない。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 事前規定の中間評価とintention-to-treat解析を備えた、大規模かつ完全盲検のクラスター無作為化試験である。
- 研究デザイン