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機械換気下の小児における酸素化障害の重症度と保守的酸素化目標:Oxy-PICU試験の事後サブグループ解析

Pediatric critical care medicine : a journal of the Society of Critical Care Medicine and the World Federation of Pediatric Intensive and Critical Care Societies2025-01-13PubMed
総合: 65.5革新性: 6インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 6

概要

Oxy-PICU試験の事後サブ解析(n=1,775)では、保守的酸素化戦略(SpO2 88–92%)は重度の酸素化障害(OSI≥12)の有無にかかわらず有益でした。OSIカテゴリーによる有意な相互作用は認められず、保守的目標の広範な適用が支持されます。

主要発見

  • 対象1,986例のうち1,775例が解析され、割付時にOSI≥12は212例でした。
  • 主要複合アウトカムはOSIカテゴリーで有意差を示さず、保守的酸素化はOSI<12(OR 0.85, 95%CI 0.71–1.01)とOSI≥12(OR 0.95, 95%CI 0.49–1.84)の双方で有益でした。
  • 重度酸素化障害例に保守的酸素化目標を限定すべき根拠は示されませんでした。

臨床的意義

PICUでは酸素化重症度を問わず、機械換機中の小児にSpO2 88–92%目標を導入可能です。安全性監視を継続しつつ、前向き層別化試験で閾値の最適化を図る必要があります。

なぜ重要か

重度低酸素血症例に限定せず小児侵襲的換気全般で保守的酸素化目標を適用できることを示し、プロトコール標準化に資する知見です。

限界

  • オープンラベル試験の事後サブ解析であり、事前規定ではない
  • サブグループ内の関連に留まり、前向き検証が必要

今後の方向性

重症度層別での保守的酸素化の有益性と安全性(虚血事象、神経発達など)を検証する前向き層別化試験が求められます。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
治療
エビデンスレベル
II - 多施設RCT(Oxy-PICU)からの事後サブグループ解析
研究デザイン
OTHER