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骨盤輪損傷における手術までの時間延長は全身性合併症の増加と関連する

The journal of trauma and acute care surgery2025-02-10PubMed
総合: 67.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 5

概要

レベルI外傷センターの1,056例において、48時間以内の手術は>48時間群より合併症が少なく(17.8%対34.9%)、遅延1時間ごとに全合併症のオッズが0.4%増加し、敗血症、肺炎、急性腎障害、心筋梗塞、深部静脈血栓のリスクも上昇しました。本結果は、早期の積極的蘇生と迅速な手術実施を支持します。

主要発見

  • 48時間以内の手術で全合併症率が低い(17.8%対34.9%)。
  • 手術遅延1時間ごとに全合併症のオッズが0.4%増加。
  • 遅延により特定合併症のオッズが上昇:敗血症(+0.7%)、肺炎(+0.4%)、深部静脈血栓(+0.3%)、急性腎障害(+0.3%)、心筋梗塞(+0.5%)。
  • 約42時間付近で屈曲点が示唆され、その後は全合併症のオッズが上昇。

臨床的意義

可能な限り骨盤輪損傷では48時間以内の手術を優先し、遅延が避けられない場合は早期蘇生と敗血症、肺炎、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)、血栓塞栓症の厳密な監視を行うべきです。

なぜ重要か

ARDS(急性呼吸窮迫症候群)を含む全身性合併症に影響する修正可能な要因(手術までの時間)を示し、外傷診療プロトコルの最適化に資するため重要です。

限界

  • 後ろ向き単施設研究であり因果推論・外的妥当性に限界
  • 外傷重症度や蘇生の質などの残余交絡の可能性

今後の方向性

時間閾値の外的妥当性検証と迅速固定プロトコルの評価を目的とする前向き多施設研究、準実験デザインによる因果効果の検討が望まれます。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
III - 多変量調整を伴う後ろ向きコホート研究
研究デザイン
OTHER