COVID-19関連急性呼吸窮迫症候群成人に対する覚醒下腹臥位の有効性に及ぼす文化の影響:システマティックレビューとメタアナリシス
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
22件のRCT・3615例で、覚醒下腹臥位は挿管リスクを低減(RR 0.80、95%CI 0.72–0.90)し、権力距離指数が高い国で効果が強く(RR 0.67)、低い国では効果は均衡(RR 0.89)であった。全体として死亡率低下も示されるが、臨床的意義は文化的文脈と順守により修飾される。
主要発見
- 22件のRCT(n=3615)のメタアナリシスでAPPは挿管リスクを低減(RR 0.80、95%CI 0.72–0.90)。
- PDIが高い国では効果がより大(RR 0.67、95%CI 0.54–0.82)、低い国では均衡(RR 0.89、95%CI 0.75–1.05)。
- 全体として死亡率低下とも関連;高PDI環境では順守が高く挿管率が低い。
臨床的意義
順守が高く権威構造が強い環境でAPPを優先すべきであり、低PDI環境では順守向上の介入が効果を引き出し得る。APP導入時には文化・組織要因を考慮すべきである。
なぜ重要か
相反する試験結果を調整し、文化(PDI)を修飾因子として導入することで、覚醒下腹臥位の有用性の「いつ・どこで」を精緻化し、世界的なガイドライン実装戦略に資する。
限界
- 文化指標は生態学的であり、人的資源や設備など未測定のシステム要因を代替している可能性。
- APPプロトコールと順守に不均一性があり、出版・実施バイアスを完全には否定できない。
今後の方向性
低PDI環境でAPP順守を高める実装試験、APPの「用量」(時間・頻度)の標準化、非COVID ARDSへの適用と患者中心アウトカムの評価。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験のメタアナリシス。
- 研究デザイン
- OTHER